男の人にとっての結婚って、女の人にとっての車みたいなものじゃないかなーという話

 

恋愛や結婚がどういうものか、その位置づけは男性と女性でかなり違う…というのはあちこちで言われることですが、わたしがずっとずっと疑問に思っていたものの1つが

男性は、自分が結婚したいと思ったときに、そのとき付き合ってる人と結婚する

というもの。

つまり、男性は自分の「結婚したいスイッチ」が入ったら、そのときに付き合ってる人と結婚する(もしくは身近にいる人と付き合い始めてすぐに結婚する)

という説です。


……女性のみなさん、これって意味わからなくないですか?
だってこの感覚、女性とぜんぜん違うから。

女性は、個人差はあるけれど、だいたい20代の半ばくらいから結婚を意識するようになります。
それは必ずしも「結婚したい」ということではなく、結婚する/しない、したい/したくない、できる/できない…
等々、いろんな意味で結婚という概念が脳内の一部を占めるようになる。という意味です。

それゆえ結婚については「今すぐしたい」人も「いい人がいたらいずれするかも」な人も、スイッチは「半分入った状態」と言えるわけです。
その状態で相手を吟味して、自分と結婚するのに適した男性が現れたら本格的に「結婚したいスイッチ」が作動する、
というのが多くの未婚女性の思考回路だと思います。

つまり、女性にとって結婚の最終的な決め手となるのは「相手の男性」。
なのに、男性にとってのいちばんの決め手は「自分のタイミング」で、そこから相手を決める、

…ってなんじゃそりゃ??


頭ではわかります。ふーん男の人ってそうなんだ、とは思います。でも腹落ちはまったくしなくて、そのテの話や文章を見聞きするたびにわたしは
「なんだそれー!意味わかんないよ!」ってなってました。

もちろん、すべての男性がこうやって結婚を決めるわけではないのでしょう。けれど、モテる男の人やいわゆるハイスペック男性にありがちなパターンという話もよく聞くし、こういう風に結婚を決める男の人が一定割合いるのは事実なのではないでしょうか。

 

そして分からないながらもそのことについてあれこれ考え続けていてある日、ふと思ったんです。

男の人にとっての結婚って、女の人にとっての車みたいなものなんじゃないか?と。

 

・・・・・。

えーと。いきなり話が飛びましたが女性のみなさん、ここでいったん結婚から離れて、車について考えてみましょう。
あなたにとって自動車ってどういうものでしょうか?
「え?車?興味ない」
「人の車に乗ることはあるし、いちおう免許は持ってる。でも自分で運転することはほとんどない」
「車がないと生活できないから車持ってるし運転もする。車を買ったときは大きい買い物だしテンション上がったけど、でも車自体にそんなに思い入れはない」
…あたりがおおかたの意見じゃないかと思います。
あるいは、結婚してる人の中には「子どもができてからあった方がいいよね、ってなって買った」という人もいるかもしれません。

ざっくりまとめると、女性にとっての車は
「自分の人生に大きくかかわるようなものではない」
「必要になったら、そのときに買うもの」
です。

さらに考えてみましょう。あなたがもし何かしら環境が変わり車が必要になったとして、そのときどんな風に車を選ぶでしょうか?
おそらくは、「そのときに売っている車種のなかから、いちばん自分の希望に近いものを選んで買う」ではないでしょうか。

 

…あれ? あれあれ?

ほら!
ほら!!なにかに似てません?

そう、冒頭に挙げた、

・男性は、自分が結婚したいと思ったときに、そのとき付き合ってる人や身近にいた人と結婚する
・男性にとっての結婚のいちばんの決め手は「自分のタイミング」で、そこから相手を決める

というあれです。


その感覚がまったくわからない、と思っていたけど、女性にとっての車のようなもの、と考えるといきなりしっくりきます。

たとえば、女の人がもし周りの誰かに「車ほしくないの?」「車買ったら?」「車あるといいよ、楽しいよ」と言われたとしても、本人が車を必要と思っていない限りはまったく買う気になりません。
「そう言われても、別にいま必要ないし」「あればあったでいいかもしれないけど、実際はお金かかるし車検とか大変そう」と思うのではないでしょうか。

そしてそれはおそらく、結婚したいスイッチが入ってない男性が周りの人に「結婚しないの?」と聞かれたり、付き合っている彼女に結婚をせまられたときの心境そのものです。
「そう言われても、別にいま必要ないし」
「あればあったでいいかもしれないけど、実際はお金かかるしめんどくさそう」


まとめると、「男性にとっての結婚」と「女性にとっての車」、共通点はこんな感じ。

  • もともとそんなに思い入れや興味があるわけではない。
  • それがある生活に対してふんわりとしたイメージはあるけれど、必要になるまでは自分ごととして考えていない。
  • 必要になったら、そのときに現実的に手に入れられる範囲のなかからさくっと選ぶ。

 

さらにこれをひっくり返して考えてみると、「車好きの男性にとっての車」と「結婚したがってる女性にとっての結婚」もまた、とても似ています。

車好きの男性って、自分の車以外にも、知人の車や街中ですれ違う車のことも常に気にしてますよね。
それから、いろんなメーカーの新車を買うわけでもないのにチェックしたり、今はもう売ってない過去の名車や手が届かない外国の車をほめたたえたり批評したり。
さらには、今後もっといい車が、自分の理想をすべて兼ね備えた車が出るのでは!などと存在もしていないものに思いをはせたり。

これって、一刻も早く結婚したくて自分にとっての理想の結婚相手を追い求めてる女性とかなり一致します。
自分の彼氏が、結婚相手としてどうか?こういうとこはいいけどこの部分はダメじゃない?と目を光らせているのはもちろん、元彼や友だちの彼氏・夫、近くにいる同僚男性、果ては通りすがりの人や芸能人まで「こういう男の人って結婚相手としてあり?なし?」と勝手にジャッジ。
そして、どこかにきっとわたしにピッタリの男の人がいるはず!なんて妄想を繰り広げたり。

さらに、車好きの男性が「乗っている車はその人自身を表す」と思っているように、結婚に思い入れの強い女性も「結婚しているか否か、どんな人と結婚しているのか」がその人を表す重要なファクターだと思っています。

 

思うに、こだわりや思い入れの強さは、選ぶときのハードルの高さと比例するのではないでしょうか。
それが自分にとってのアイデンティティの大部分だと思うほどに、選ぶのが難しくなる。
反対に、こだわりや思い入れが少なければ簡単に選ぶことができる。ということのように思います。

 

多くの女性にとって、結婚は人生の一大事です。
でも、「自分が結婚したいと思ったタイミングで身近にいた人との結婚をさくっと決める」タイプの男性は、女性が思うほどには結婚を重要なものだと考えていない、ということなのかもしれません。
ちょうど、女の人にとっての車が人生の重要事項ではないように。

 

以上、男の人にとっての結婚と女の人にとっての車は似ている、という話でした。
この話が、あなたが異性をより多く理解するための一助となればうれしいです!

 

 

※いちおう補足をしておくと、女性でも大の車好き、という人はいます。とは言えそれは少数派だと思うのでここでは女性≒車にあまり興味ない、という前提で書いています。

※また、ここで書いてきた「自分が結婚したいと思ったタイミングで身近にいた人との結婚をさくっと決める」タイプの男性ですが、結婚を決めた時点では結婚が重要なものではなかったとしても、その後の結婚生活のなかで心境が変化して大事なものと思うようになる、というケースは往々にしてあると思います。

 

 

(追記)
この話の補足のような記事を書きました。 → 結婚にいたる過程にあるポイント3つ